Googleの検索エンジンの仕組みとCMS
2022/05/25
ググる。
一度は聞いたことのある言葉だと思います。「ググる」とはGoogleを使ってキーワード検索を行うことを指します。
今では当たり前のようにGoogleを利用していますが、日本でインターネットが普及し始めた1995年頃にはまだGoogleはなく、Yahoo!がインターネットを始めるポータルサイト・スタートページでした。
Yahoo!は当時、ウェブサイト・ホームページをカテゴリ分けを行うディレクトリ型検索という検索方法を採用していました。このディレクトリ型検索は検索精度は高いのですが、ウェブサイト・ホームページを人手でカテゴリ・ディレクトリ分けを行っていたため、2000年頃から爆発的に増えてきたウェブサイト・ホームページを分けていくことが難しくなりました。
そこで台頭してきたのがGoogleになります。Googleはサービス開始当時はYahoo!の検索エンジン(検索を行う機能およびプログラム)を採用していたものの、契約終了と共にGoogle独自の検索エンジンに切替えました。その後、Apple社のウェブブラウザSafariのスタートページに採用されたり、紆余曲折ありますが独自の検索エンジンだったYahoo! JapanもGoogleの検索エンジンを利用することになりました。今ではGoogleが提供するスマートフォンAndroidはもちろん、Apple社のスマートフォンiPhoneのデフォルト検索エンジンにもなっており、世界で数ある検索エンジンの中でもGoogleが世界シェア断トツのトップとなっているのです。
前振りが少し長くなってしまいましたが、SEO対策を実践するためには、Googleの検索エンジンのシェアがトップであること、Yahoo! JapanでもGoogleの検索エンジンが採用されていることから、Googleの検索エンジンのことを理解する必要があるのです。
Googleの検索エンジンは「ロボット型検索」を採用しています。ロボット型検索はその名の通り、ロボット(ボット、クローラー、スパイダーともいいます)が活躍します。
簡単にGoogleで検索されるまでの流れを説明します。
①ロボットがインターネットを回遊して、ウェブサイト・ホームページを見つけて情報をまとめる(クロール)
②ロボットがまとめた情報をもとに、ウェブサイト・ホームページのコンテンツをデータベースにまとめる(インデックス)
簡単に説明すると、以上になります。
これだけで見るとSEOって簡単?と錯覚してしまうかもしれませんね。
ここで少し考えてみてください。Googleのロボットがどのようにして世界中の膨大なウェブサイト・ホームページのなかから、お客様のウェブサイト・ホームページを見つけているのでしょうか。
詳しくは別の機会に説明しますが、その仕組みの中のひとつがリンクです。
リンクはユーザーをウェブサイト内の他のページに遷移させたり、関係のある他のウェブサイトに遷移させる機能になります。そのため、お客様のウェブサイト・ホームページに検索エンジンのロボットだけではなく多くのユーザーに来てもらうには、いろいろなウェブサイトからリンクをしてもらう必要があります。
このように、他のウェブサイト・ホームページからリンクしてもらうことを「被リンク」というのですが、この被リンクがとても大切なのです。被リンクがなければユーザーはもちろん、検索エンジンからも見つけてもらうことができないのです。
またウェブサイト・ホームページを新しく立ち上げた場合、だれも新しいウェブサイト・ホームページのことは知らないので、被リンクはもちろんありません。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。
地道に関係者に被リンクをしてもらうようにお願いするのもいいのですが、新しく立ち上げたときにはGoogleのロボットに直接お願いすればいいのです。
「そんなことできるの!?」と思われるかもしれませんが、Googleのサービスのひとつに「Search Console(サーチコンソール)」というものがあります。このサーチコンソールでできることはいろいろとあるのですが、使い方のひとつとして「Googleの検索エンジンにウェブサイト・ホームページを教える」機能があります。この機能を使えば、すぐにではありませんが、Googleのロボットのクロール対象に含まれることができるのです。
クロールについての説明が長くなりましたが、ここで終わりではありません。
クロールされたウェブサイト・ホームページは、データベースに登録されて(インデックス)、はじめてGoogle検索で表示されるようになるからです。ロボットが集めてきた情報は、Google独自の基準で評価され、有用な情報であると判断された場合のみインデックスされます。
インデックスの説明で気付いた方もいらっしゃるかもしれません。
それは「クロールされても、インデックスされない」こともあるということです。
SEOが盛んに言われ始めた2000年頃からはSEO対策として「被リンクされること」が最重要と言われていました。そのため、様々な被リンクを増やす手法やサービスが生まれました。その中にはまったく関係性のないサイトから大量にリンクをするリンクファームというサービスがあったのですが、Googleでの検索上位がリンクファームを利用した被リンクの多いページに占領されることもありました。
Googleはこのような状況に「Googleの検索結果がユーザーにより良い情報を届けているのか」という疑問を持ち始めたのです。内容の薄いページが大量の被リンクの結果として検索上位に来てしまうと、ユーザーが求めているウェブサイト・ホームページが見つけられなくなってしまいます。そこでGoogleは「被リンクの量」ではなく「被リンクの質」を重視するようになりました。
このようにGoogleの検索エンジンは、検索するユーザーに対してより良い検索結果を届けられるように日々アップデートしています。
アップデートされる中で、「意味のない大量の被リンク」のような反則技(SEOスパム、ブラックSEO)を排除するようになり、独自の基準でページに重要度のランク付けをして、インデックスをしているのです。Googleが特に重要視しているのが、「ユーザーにとって有益かどうか」になります。そのため、コンテンツの内容自体もGoogleの検索エンジンの評価対象となっています。ウェブサイト・ホームページを作成する際も、運用する際も、コンテンツがユーザーの役に立つ情報になっているかを考える必要があるのです。
ここまでGoogleの検索エンジンの仕組みをお伝えしましたが、最後に検索結果画面についてお伝えしたいことがあります。
例えば「CMS」などのひとつのキーワードだけで検索すると、上位の方には「広告」と太字で書かれたリンクがいくつか表示されます。この「広告」のついたリンクは文字通りGoogleの広告枠となります。Google広告というサービスで、キーワード単位で広告枠を購入したウェブサイトが表示されます。Googleに広告料を支払っているので、上部表示されているのですね。
この「広告」枠が終わった直後のリンクが「検索順位 1位」のウェブサイト・ホームページになるわけです。
また各リンクには下記の情報が記載されています。
・URL
・ページのタイトル
・ページの説明
・更新日
これらの情報が、ユーザーがどのリンクをクリックするか判断する材料になります。この中でも特に「ページのタイトル」と「ページの説明」については、ユーザーがクリックしたくなるような情報にする必要があります。このタイトルと説明については、ページの情報から取得されるため、前回の「SEO対策におけるCMSのメリット・デメリット」でもお伝えしたとおり、vibit CMS Neoを利用していれば忘れずに設定できる箇所になります。
ようやくここでvibit CMS Neoの名前が出てきました(笑)。
クロールに関しての被リンクについては外部施策になるためvibit CMS Neoではコントロールできないものが多くありますが、インデックスに関して内部施策に関する箇所はvibit CMS Neoの得意分野となります。
ページのタイトルや説明以外にも、正しいHTML構造で構築されていること、スマートフォン対応であることなど、SEO対策の内部施策で必要な対応はvibit CMS Neoに任せて、コンテンツの内容に集中できる環境を整えてみてはいかがでしょうか。
最後にひとつおまけです。
社内などでSEO対策の話をしているときに検索結果画面のことを「サープ」もしくは「サープス」と言ってみましょう。「コイツ、なかなか勉強しているな」と思われるかもしれませんよ。
ちなみにサープは「SERP = Search Engine Result Page」のことで、サープスは「Pages」と複数形になったものになります。
次回からは具体的なvibit CMS Neoを使ったSEO対策を紹介していきます!
お楽しみいただければ幸いです。