Google Analytics 4の3つの特徴

2022/08/18

Google Analytics 4の3つの特徴

コンビニで「新商品」のラベルを見ると、ついつい手が出てしまいませんか?
特にこの時期はアイスクリームのケースに新商品を見つけてしまうと、ついつい手が伸びてしまい…
寝る前の甘いものは背徳感もあり、甘美な世界に連れて行ってくれますよね(笑)

前回の記事でもお伝えしましたGoogle Analytics(以下、GA)もそんな「新商品」があるのです。

新商品といっても、すでにリリースされて1年以上が経っているのですが、2020年10月にGoogle Analytics 4(以下、GA4)がリリースされています。
実はGAはバージョンごとに名称があったのです。ひとつ前のバージョンは2013年リリースでUniversal Analytics(ユニバーサルアナリティクス。以下、UA)という名称でしたが、今回のバージョンは4世代目となるので、わかりやすくGA4と数字が付くようになりました。

そんなGA4ですが、これまでのUAとは違う大きな特徴を3つ紹介したいと思います。

1. 「セッションのページ計測」から「ユーザーのイベント計測」に

UAは、「来訪したユーザーの行動の断片を計測するツール」となっています。
ユーザーがどのページを見たのか(ページビュー)、ユーザーがどのページから閲覧したのか(訪問開始ページ)、ユーザーがどのページで離脱したのか(離脱率)、などを計測しています。
ひとつのセッションの中でどのページを見たか、というセッションをページ単位で計測していました。
そのため、ユーザーの行動の流れを見るには、それぞれの数値の関係性を読み解く必要がありました。

GA4では「ユーザーの行動の全体をとらえる」ことができるようになりました。
計測する内容は同様にページビューとなりますが、ユーザーの一連の行動の中でどんな行動をしたのか、という行動=イベントとして計測されています。
そのため、これまでよく使われていたページビューについても「ページを閲覧した」というイベントとして計測されています。

UAでは行動を表面的にとらえていましたが、GA4ではユーザーの行動の内容に注目しています。そのため、ひとつひとつの行動の中身を深く知る仕組みが整っています。

さらにGA4ではイベントを統計していきデータを蓄積していくことで機械学習し、「購入の可能性」「離脱する可能性」「収益予測」の予測ができるようになっています(こちらの機能は利用するための条件があるため、全てのサイトで利用できるものではありません)。


2. ウェブサイト以外の横断した計測

ユーザーの行動すべてを計測するには、ウェブサイト以外の計測が必要になります。

というのも、特にBtoCのサービスではアプリを利用していることも多く、ウェブサイトからアプリへの誘導を行っている場合、しっかり誘導できているのか計測する必要があります。
しかし、これまでのUAでは誘導ボタンのクリック数をイベントとして計測することはできましたが、そこから先のアプリ内での行動に結びつけることはできませんでした。

そこでGA4の登場です。
GA4では「データストリーム」という概念があります。
UAではひとつの設定に対し計測用のタグはひとつしか発行できませんでしたが、GA4ではひとつの設定に対しウェブサイト用の計測タグとアプリ用の計測タグを発行することができるようになりました。

この仕組みをうまく使うことで、ウェブサイトで認知を広く集め、アプリでユーザーを囲い込みコンバージョンしている場合でも、ユーザーの行動をウェブサイトとアプリをまたいで、GA4の管理画面ひとつでレポートを作成することができるようになりました。


3. Cookieに依存しない計測

こちらは技術的な話になるので簡単に説明しますが、実はとても重要な内容になっています。

アクセス解析ツール含め、様々なWEBツールはこれまでCookieという技術を使って実現されているものが多くありました。このCookieは、ユーザーが閲覧した様々な情報をウェブブラウザに保存する技術です。

例えば、Googleでスニーカーを検索していくつかサイトを見た後に、いつの間にか各サイトで表示される広告にスニーカーが多くなったことはありませんか?
これはリターゲティングという広告手法なのですが、仕組みとしてはブラウザに「スニーカーを検索した」というCookieを保存したことで、広告を提供するサービスがそのCookieを取得し、スニーカーの広告を配信しているのです。

便利な機能なのですが、個人情報の取り扱いが厳しくなるなか、セキュリティ面の対応も必要なため、ChromeやSafariなどの各ブラウザでCookieの利用ができなくなりつつあります。もちろん、広告関連だけではなく様々なアクセス解析ツールもこの対応に追われています。

UAも同様にCookieを利用していましたが、GA4ではCookieを利用しない仕組みとなりました。ブラウザが完全にCookieを停止したとしても引き続き利用できるようになっているのです。



その他いろいろ便利な機能など増えています。
しかし、長年利用していたUAからGA4にバージョンアップしてすぐに、その恩恵にあやかれるものではありません。

計測する軸がページからイベントに変わったと説明しましたが、これまでUAで作成していたレポートが使えなくなってしまいます。
計測する考え方が変わったことで、新しく学習することが増えてしまったり、これまでと同じことができなくなってしまったり、管理画面も変わってしまうので、GA4を使いこなすまでには時間がかかってしまうことが、大きなデメリットとして考えられます。

そのため、GA4への移行に二の足を踏んでしまう担当者が多いという統計もあるようです。

しかし、UAが利用できる期間が差し迫っています。
2023年7月1日をもってUAのすべての計測が停止してしまうのです。管理画面は2023年12月31日まで利用できますが、2022年8月現在であと1年も利用ができないのです。

そこでお勧めしたいのが「UAとGA4の共存、並行運用」です。

現在、UAを使っているのであれば、簡単にGA4の設定と設置が可能です。
UAの管理画面で、GA4の設定と計測するまでを案内する「GA4設定アシスタント」というものがあり、簡単に設定することができます。「GA4設定アシスタント」で設定した場合には、計測用のタグを新しくHTMLに書き加えなくても、GA4の計測を始めることもできます。
また、Google Tag Manager(以下、GTM)を利用している場合は、GTMで計測用のタグを設置して使い始めることもできます。

これから新しくサイトを作成する場合には、1年間しか使えないUAを導入するよりも、GA4のみの設置の方が管理しやすくなると思いますが、既存サイトでUAを利用している場合には、早めに「UAとGA4の共存、並行運用」を行いましょう。

1年間GA4のデータを蓄積することで、移行期間の間に、これまで通りのUAでの計測ができ、並行してGA4での計測をどう活かしていくかを試せるようになります。

vibit CMS NeoのSEOコラムでも、GA4に関する便利な利用方法などをご紹介していければと考えていますので、今後もお楽しみいただければと思います。

次回もSEOには欠かせないGoogleのツールをご紹介したいと思います。
お楽しみいただければ幸いです。

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