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JIS X 8341-3:2016とは?Webアクセシビリティの基準を理解する

2024/10/16

JIS X 8341-3:2016とは?Webアクセシビリティの基準を理解する

はじめに
ウェブサイトを利用する際、誰もが平等に情報にアクセスできることは非常に重要です。
アクセスが困難なウェブサイトは日常生活に大きな影響を与えます。
これを解決するために、日本ではJIS X 8341-3:2016という規格が定められており、ウェブアクセシビリティの基準として広く使われています。
本コラムでは、JIS X 8341-3:2016の内容やその重要性について解説します。

JIS X 8341-3:2016とは?
JIS X 8341-3:2016は、日本産業規格(JIS)の一つで、正式名称は「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」です。
この規格は、すべての人がウェブコンテンツにアクセスしやすくするためのガイドラインを提供しています。
この規格は、国際的なアクセシビリティガイドラインである**WCAG 2.0(Web Content Accessibility Guidelines 2.0)**をベースにしており、ウェブコンテンツのアクセシビリティに関する基準を日本国内の法令や文化に適合させています。

JIS X 8341-3:2016の構成
JIS X 8341-3:2016は、以下の4つの原則に基づいています。

知覚可能(Perceivable)
情報や操作要素は、ユーザーが感知できるように提供されなければなりません。
たとえば、画像には適切な代替テキストを設定し、視覚障がい者にも内容が伝わるようにする必要があります。

操作可能(Operable)
ユーザーがウェブサイトを操作できるようにしなければなりません。
キーボード操作が可能であったり、時間制限が設定されている場合には延長オプションを提供するなど、操作に関する配慮が求められます。

理解可能(Understandable)
コンテンツや操作がユーザーにとって理解できるものである必要があります。
文章が複雑すぎないことや、エラーメッセージがわかりやすいことが重要です。

堅牢(Robust)
ユーザーが利用する技術やブラウザ、支援技術(スクリーンリーダーなど)が異なっていても、コンテンツが正しく解釈・表示されるように作成する必要があります。

適合レベル
JIS X 8341-3:2016では、アクセシビリティの達成レベルが3段階に分かれています。
Aレベル: アクセシビリティの最低限の基準を満たしている状態。
AAレベル: 実務的に求められる基準を満たしている状態。多くの組織では、このレベルが目指されています。
AAAレベル: より高度なアクセシビリティ基準を満たしている状態。すべてのウェブサイトで達成するのは難しいが、可能であれば目指すべき理想的なレベルです。

なぜJIS X 8341-3:2016が重要なのか?
ウェブアクセシビリティは、全てのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを作ることに繋がります。
たとえば、スマートフォンの利用者や高齢者など、特殊な環境やニーズを持つユーザーも多くいます。JIS X 8341-3:2016に準拠することで、より多くの人にとって利便性の高いウェブサイトを提供することができます。
また、法的な観点からもアクセシビリティの確保は重要です。
企業においても、JIS X 8341-3:2016への準拠が求められることが多くなっています。

まとめ
JIS X 8341-3:2016は、誰もがウェブサイトを利用できるようにするための基準です。ウェブアクセシビリティに配慮したデザインや開発は、単に規格に準拠するだけでなく、すべてのユーザーに快適な体験を提供するための重要な要素です。
vibit CMSは標準でALT(画像の説明)、日付時間表記や機種依存文字などのチェック機能を搭載しており、ウェブアクセシビリティ(JIS X 8341-3:2016)ガイドラインに準拠したサイト制作が可能です。
企業やウェブ開発者は、アクセシビリティを意識してコンテンツを提供し、より包括的なウェブ体験を提供することが求められます。

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